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コミュかる・こぼれ話

「コミュかる」は、「コミュニケーション」と「カルチャー」を用いた造語で、2012年に創刊した杉並区の文化・芸術情報紙です(年4回発行)。区内での公演・チケット情報や文化人のインタビューをご紹介しています。
本コーナーでは紙面には掲載しきれなかった写真や「こぼれ話」を掲載しています。

ピアニスト 桑原志織(くわはら しおり)さん

2024年6月21日発行「コミュかるVOL.67」

Q1:藝大附属高校での学生生活はいかがでしたか?

1学年に1クラスの小さな学校で、自由で伸びやかな校風がありましたので、お互いをライバル視することもなく、和気あいあいとやっていましたね。作曲やピアノ、弦楽器、管楽器、邦楽など専攻の異なる仲間が集まって切磋琢磨し合っていたように思います。当時、私の師事していた教授は「どんどんコンクールに出ましょう!」というお考えでしたので、ありがたいことに自然と人前で演奏する機会も増えました。大きな舞台で演奏することにあまり抵抗がなかったのは、きっと、幼少期からのびのびとピアノを弾いていたおかげだと思います。

Q2:桑原さんは杉並区出身ですが、お気に入りの場所などあれば教えてください。

善福寺公園は小さい頃に家族で出かけた思い出の場所です。桜の季節はお花見にも行きましたね。そして、今回取材で訪れた大田黒公園も私の大好きな空間です。大田黒先生(※)のことは高校生の頃に知りました。ロシアの作曲家プロコフィエフが書いた日本滞在記があって、その中で大田黒先生とプロコフィエフがロシア音楽について語らう場面があるんです。音楽とゆかりの深い公園ですから、すぎなみ育ちの私としては誇らしい場所です。

Q3:海外と日本、演奏していてお客さんの反応の違いはありますか?

演奏中に違いを感じることはありませんが、ヨーロッパでは演奏会後によく立食パーティーがあります。演奏家やホスト、お客さまがお酒や料理を楽しみながら歓談するのです。 日本では演奏家とお客さまとが直接会話をする機会はめったにありませんが、ヨーロッパでは、演奏の場と社交の場が自然とつながっていることに文化の違いを感じました。

(※)大田黒 元雄(おおたぐろ もとお)氏
1893(明治26)年1月11日生。日本における音楽評論の草分けとして多数の著書を出版。
杉並区立大田黒公園は、大田黒氏の屋敷跡を日本庭園として整備し開園。
1979(昭和54)年1月23日没。

プロフィール

ピアニスト 桑原志織(くわはら しおり)さん

1995年生まれ。杉並区出身。東京藝術大学ピアノ専攻を首席で卒業後、ベルリン芸術大学に留学し、ソリストマスター及び国家演奏家資格課程を最優秀で修了。日本人史上最高位となったルービンシュタイン国際ピアノコンクール、ブゾーニ国際ピアノコンクールをはじめ、ヴィオッティ、マリア・カナルスなど、メジャー国際コンクールで次々と第2位を獲得。国内外で演奏活動を行っている。

「コミュかる」は以下の杉並区役所公式ホームページでお読みいただけます。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/bunka/johoshi/1073859.html外部リンク