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コミュかる・こぼれ話

「コミュかる」は、「コミュニケーション」と「カルチャー」を用いた造語で、2012年に創刊した杉並区の文化・芸術情報紙です(年4回発行)。区内での公演・チケット情報や文化人のインタビューをご紹介しています。
本コーナーでは紙面には掲載しきれなかった写真や「こぼれ話」を掲載しています。

俳優 中島多朗(なかじま・たろう)さん

2023年6月21日発行「コミュかるVOL.62」

Q1: 中島さんは杉並区在住とお聞きしましたが、東京に出てきてからずっと杉並に住んでいるのでしょうか? また、杉並の魅力や思い出の場所があれば教えてください。

東京に出てきて一番最初に住んだ町は墨田区なんですが、それから杉並の西荻窪、高井戸に移って、一旦京都に戻って、それからはずっと荻窪ですね。足掛け10年程でしょうか。
杉並の魅力は交通の便がよく、出演させていただいた舞台や稽古場がこの近辺だったので、都合がよかったんですね。それと何と言っても町の雰囲気がいいんです。だからずっとこの辺にいるんでしょうね。思い出の場所は馬橋公園ですかね。昨年出演させていただきました「高円寺が踊る」の中で阿波踊りのシーンがあるんですが、踊ったことがなかったので、共演者の方にマンツーマンで教えていただきました。その練習をこの公園でやったんです。だから馬橋公園へ行くと「高円寺が踊る」の色んなシーンを思い出しますね。

Q2: 人前でお芝居をする、ということに関して不安はなかったですか?

舞台の上演時間って90分や120分と長いじゃないですか。長いということはそれだけセリフもたくさんあって、そんな膨大な量のセリフを覚えられるのかな、という不安の方が大きかったですね(笑)。

Q3: 中島さんが一般区民の方に演技指導をされたのでしょうか?

いやいや、全然そんなことしていません(笑)。池亀さんの演出方法が、一人一人の個性を把握して、それを舞台上で表現するというやり方だったので、そこで私が何かを言ったら、演者さんが混乱する元だと思いましたので、演技についてのお話はしていないですね。それよりも、舞台上でお芝居をするということを純粋に楽しんでもらいたいな、と思いました。短い期間で技術的なことを伝えて実践してもらうよりも、楽しんでいる姿をそのまま表現できれば、見ているお客さんに伝わるものが大きいのではないかと思いましたね。きっとその辺は池亀さんも意識されていたんだと思います。

Q4: 作・演出を担当された池亀三太さんはどのような方ですか?

ひたすら穏やかで、優しい方でした。初めて舞台を経験される方はかなり緊張されていたと思うんですが、そういう方に対して、「それいいですね!」とか「すごくおもしろいですよ、それでいきましょう」とか、リラックスさせて自信をつけさせるんです。いい意味で人たらしですよ(笑)。ただ基本的に寡黙な方なので、私なんかはうるさいオヤジだな、と思われたかもしれないです(笑)。

Q5: 中島さんが演じられた銀次郎はものすごい情熱家で、感情をストレートに表現する人物でしたが、中島さんご自身はいかがでしょう?

私はまったり、のんびりが好きなので、真逆の性格ですね(笑)。ただ自分とは正反対の人間を演じるのって、楽しいですよ。みなさんは普段の生活で別人になりきる、なんてことは無いでしょうからね。役者ならではの楽しみかと思います。

プロフィール

俳優 中島多朗(なかじま・たろう)さん

1980年京都府生まれ。幼い頃より吉本新喜劇に憧れ俳優を志す。京都では「鬼平犯科帳」、「剣客商売」など多くの時代劇に出演。上京後は舞台を中心に活躍。杉並区在住ということから区政施行90周年記念事業「高円寺が踊る」に参加し脚光を浴びる。趣味は散歩、喫茶店めぐり。

「コミュかる」は以下の杉並区役所公式ホームページでお読みいただけます。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/bunka/johoshi/1073859.html外部リンク