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「コミュかる」は、「コミュニケーション」と「カルチャー」を用いた造語で、2012年に創刊した杉並区の文化・芸術情報紙です(年4回発行)。区内での公演・チケット情報や文化人のインタビューをご紹介しています。
本コーナーでは紙面には掲載しきれなかった写真や「こぼれ話」を掲載しています。
ホルン奏者:信末碩才(のぶすえ せきとし)さん
2024年9月21日発行「コミュかるVOL.68」
Q1:日本フィルはどんなオーケストラですか。
ひとことで言うと、雰囲気が良く居心地の良い楽団です。必要以上のプレッシャーを感じての演奏はやはりマイナス要素なので、のびのびと演奏できたほうがいいと思っています。振り返ると、日本フィル入団当初から居心地の良さを感じていましたので、きっと長年に渡って培われてきた日本フィルの文化なのでしょうね。僕も首席奏者として、その文化を継承していかなければと思っています。
Q2:2023年9月にカーチュン・ウォンさんが日本フィルの首席指揮者に就任されたことで信末さんに何か変化はありましたか。
少し前の話になりますが、首席奏者としての責任感や自分の演奏に悩んでいた時期がありました。ちょうどその頃、カーチュンさんの指揮でマーラーの交響曲第5番をやることになりました。それまで長いトンネルの中にいるような感覚でしたが、初めてのリハーサルで、「今まで悩んでいたのは一体何だったんだろう?」と不思議に思えるぐらい晴れ晴れと自由に演奏することができたのです。曲の持っている力ももちろんあると思いますが、やはりカーチュンさんの指揮によって、知らず知らずのうちに窮屈になっていた自分の心と体を開放してもらえたようなそんな感覚がありました。自分が楽しく演奏することで、まわりのホルン奏者やオーケストラ全体に良い影響が出るんだなぁと、その時に確信が持てました。今でも、カーチュンさんには勝手に恩を感じています。
Q3:最近ハマっていることはありますか。
たまにオムライスを作るのですが、ある時「失敗しない!誰でも簡単ドレスドオムライス風」のような紹介動画をみつけて、試しに作ってみたらすごく美味しくて。見た目にも美しくできたんです。決して難しくはないので、興味のある方は動画を見て作ってみてください。
それから、僕がずっとハマっていること、それはホルンを練習することです。多くの人は仕事で抱えたストレスはお酒を飲んだり、旅行に行ったりして発散しますが、僕の場合、ホルンで抱えたストレスはホルンを吹くことで解消します。誰に話しても気持ち悪いと言われますが(笑)。エチュード(練習曲)がまとまっている教則本が何冊も家にあるのですが、休みの日はまだ手をつけていない1冊を取り出して、それが終わるまで吹きます。吹き終わると、「あー、今日もやりきった。」と爽快な気分になれます。そんな時間があったら、演奏会で演奏する曲をもっと吹いたら?と言われそうですが(笑)。
プロフィール
ホルン奏者:信末碩才(のぶすえ せきとし)さん
1997年栃木県生まれ。12歳よりホルンを始める。春日部共栄高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部を卒業。第86回日本音楽コンクールホルン部門入選。第35回日本管打楽器コンクールホルン部門第3位。ホルンを飯笹浩二、日髙剛の各氏に師事。2021年に24歳の若さで日本フィルハーモニー交響楽団の首席ホルン奏者に就任。
「コミュかる」は以下の杉並区役所公式ホームページでお読みいただけます。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/bunka/johoshi/1094866.html