赤松ともいさん
解体新所
「あら、いつの間に。」芝生の小山も遊ぶ子達もいなくなった。すぎ丸バスはお練りよろしくしずしずと蛇行し、レトロな家屋や植栽を見せてくれた。その類希な住宅が消滅する。『解体から新築まで記録したら何が分かるだろう』そんな思いで写真を撮り始めた。
生家は茅葺き屋根だった。室戸台風で吹っ飛び、瓦屋根になった。元には戻れない。
阿佐ヶ谷住宅も戻れない。自然や経済、政治、哲学で住居も変わるのだろう。(ウクライナは無残過ぎる。)新建物群後、樹木や蝶、子達が戻ってきた。再生や希望の象徴だ。経過を追って得たもののトップになる。茅葺き屋根のメモリーは追想だけ。阿佐谷住宅は惜しまれ、愛され、記憶され、幸せもんだと思う。
給水「司令塔」
花燃えの作業現場
瓦礫の奥に32号棟、給水塔
全身養生の大樹
蔦の時間
風雪の幟旗
雀のお宿はどこ行った
ラストフライへ